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ポテチの好きな映画についてと感想

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KIKA 1993

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1281067991

ペドロ・アルモドバル監督作品「キカ」について

愛憎うずまくミステリー・サスペンス劇となってるみたいですが、
ぜんぜん。
「人の道にははずれているけれど
それぞれの理屈にはかなった行動をとる人々の群像劇」ってことで、
面白いこの監督ならではって感じです。

メイクアップ・アーティストのキカは、仕事を通して
アメリカ人の作家・ニコラスに出会い、関係を持ち始める。
彼の妻は数年前に自殺し、
彼は彼女の残した大きな家で義理の息子・ラモンと暮らしていた。
キカはその後、
年下でハンサムな人気カメラマンであるラモンと同棲し始めるが、
南米の放浪の旅から再びスペインに戻ってきた
ニコラスとも秘かに密会を行っていた。

ある晩、メイドのフアナは、
スキャンダルをスクープする話題のTV番組「今日の最悪事件」を見ていた。
女性レポーターのアンドレアは常に奇抜な服装で
頭にカメラを設置して町中を駆け回る。
彼女はラモンが母の自殺を苦にしていた時の元担当精神分析医兼恋人で、
彼に振られたことを未だに憎んでいた。

そんなある日、
そのTV番組でも話題にしていた元ポルノ男優で強姦魔・ポールが
姉であるフアナに会いに来て、キカをレイプしてしまう。
アンドレアは、それをスクープし、
倒錯的な性嗜好のラモンまで助けるどころか
うっとりと遠くからその現場を見ていたことを知ったキカは、
悲しみに暮れ彼の元を去ることに。
その事件をきっかけに殺人者としてのニコラスの姿が浮き彫りにされていく。
アンドレアは必死で真実を言わせようとニコラスと血みどろの戦いになり、
結局2人とも息絶えてしまう。
キカはあまりに衝撃的なことの連続で動揺はみせながらも、
ラモンから完全に踏ん切り、
新しい人生に向けて歩んでいく......

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1281068042

「自殺」という形で妻を失った
作家・ニコラス(別の愛人はドラァグ・クイーン)。
母の自殺の原因を義父・ニコラスにあると疑う
息子・ラモン(覗き魔趣味のイケメン)。
その父と息子の両方と肉体関係を持つ
メーキャップ・アーティストのキカ(超マシンガントーク)。
過激な事件専門の番組司会者アンドレア(衣装がゴルチエ、素晴らしい!!)。
元ポルノ男優で脱獄囚のポール(絶倫のイケメン)。
その脱獄を手助けする
レズビアンの姉フアナ(キカの家政婦かつ弟の性衝動抑え役)。
こんな登場人物が絡み合うのだから、
もう話の展開が奇行に満ちてて倫理観無し。
まぶしいほどの赤を基調とした色彩感覚。
特異で奇怪でありながら不快ではない雰囲気。
「素晴らしい」の一言です。
私も割と変わり者呼ばわりされますが、
比べるとまだまだって感じなので、頑張ります。

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ATAME! 1990

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279636295

ペドロ・アルモドバル監督作品の「アタメ 〜私を縛って」について

様々なタブーに触れる題材をエキセントリックかつ色彩豊かな手法で映像化し、
世界的な映画作家になったスペインの鬼才、ペドロ・アルモドバルが描く
エロティックでエネルギッシュな「純愛映画」。

精神病院を出たばかりの23歳の絶倫青年・リッキー。
これからは普通人として生きていこうと結婚を決意する。
そこで彼が目をつけたのは、かつて病院を脱走した時、
一夜を共にしたことのある元娼婦のポルノ女優・マリーナだった。
しかし、その求愛は彼女に何の断わりもない一方的なもので、
勝手に仕事場やアパートに乗り込んできたリッキーにマリーナは怒るが、
(ストーカーされたんだもの、当たり前の反応ですよね)
たちまちベッドに縛りつけられてしまう。
(プロの緊縛師が怒りそうな縛り方)
最初は単なる被害者だったマリーナだが、
外出する時には相変わらず彼女を縛るものの、
それ以外は意外と優しく、性的関係も強要しないリッキーに
しだいに奇妙な愛情を覚え、
そして彼が彼女のためにドラッグの売人と戦って傷ついて帰ってきた時、
(ドラッグの売人としては彼にドラッグを強奪されたので、その仕返し)
ついに彼の前に身を投げ出し、その愛を受け入れる決意をする。

こうして2人の間に至福の時間が訪れるが、それも束の間、
行方不明になったマリーナを探しに来た姉が彼女を連れ出してしまう。
マリーナを失なって生まれ故郷の村へ戻り、茫然と佇むリッキー。
しかしそこへ自らの愛を告げたマリーナが姉と共に家族として迎えに来る。
3人を乗せた車は一路マドリッドでの新生活へと向かうのだった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279636335

こういった性的な監禁事件がある現状、
ちょっと求愛の仕方には納得がいかないけど、
リッキー扮するアントニオ・バンデラスがすごく可愛いし、
なんせ床上手な上に絶倫だし、
私が彼女だったら、同じく、まぁいいかって感じになりそう。
ただ、「ストックホルム症候群」って言えばその通りなのかもしれないけど、
それだけでは片付けられない特殊な愛の形なのかもしれませんね。

あとマリーナの初主演となったB級ホラー映画の悪役が
やたらマッチョな肉体をさらけ出したり、
その映画でのクライマックスでマリーナがバルコニーから雨風晒しながら
ブランブランと宙吊りになる姿とか、
内容の割に全く緊張感がなく、逆に笑えるからか、
この衝撃を超えたハッピーなエンディングに繋がるのに無理はないかな〜
あくまで私個人としてはですが。


Live Flesh/Carne trémula 1997

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279596469

ペドロ・アルモドバル監督作品の「ライブ・フレッシュ」について

主人公が女性だと実に「人生讃歌」よろしく、とても素晴らしいのですが、
「トーク・トゥ・ハー」とか「アクメ」とか「欲望の法則」とか、
そしてこの物語のように、(ゲイも含めた)男が主人公だと、
割ととんでもないことをしでかしているにも関わらず、
逆に救われてハッピーエンドと、
無垢とはいえ程がある!ってのを
大目に見ている感じがして釈然としないのですが、
「まあ、いいのかな」ってさせる何かは、
この監督の魅力なのでしょうか。

この物語は、
ナンパして一度誘いに乗ったラリった女の子にはまった
青年・ベクトルが衝動赴くまま、
彼女の家を調べて訪ねて押し入ります。
銃声を聞いて駆けつけてきた警官と揉み合ううちに、彼女を逃がそうとした
もうひとりの警官・デイビットを撃ってしまって、下半身不随に。

2年後、デイビットはエレナと結婚し、
パラリンピックで活躍するバスケット選手になってます。
仲睦まじいふたりを、テレビで見た服役中の青年は復讐を誓います。
4年後、出所したベクトルは、彼女が院長を務める孤児院を突き止め、
ボランティアとして働き出す....と、
もの凄いベクトルの存在が怖いはずなのですが、
とてもいいやつに描かれて、なおかつ実に可愛いんです。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279597618

最後は彼女がベクトルの性的な魅力に嵌まり、
下半身不随の夫を捨ててしまいます。
ベクトルはさんざん利用した
年上の女性・クララを捨てて(しかも彼を庇って死んでしまう)、
彼女と結ばれハッピーエンドって、うーん実に釈然としないし、
第一、クララ(下の画像の女性)が可哀相過ぎです。
....でもまあ、これはこれでありかな、ということで。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279597674

それにしても主人公・ベクトルに扮したリベルト・ラバル(左)と
下半身不随になるデイビットに扮したハビエル・バルデム(右)が
素敵過ぎます!
しかもベクトルの全裸で慌てて家を飛び出す場面は毒ですね、はい。


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