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ポテチの好きな映画についてと感想

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The Road Home 1999

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チャン・イーモウ監督作品「初恋のきた道」について

都会でビジネスマンとして働いている青年・ユーシェンは、
両親が住む村の村長から父の急死の連絡を受け、
数年ぶりに故郷へ帰って来た。

長年、村で教師をしていた父は、
新校舎建設のために心臓病を患っているも、
無理をして金策に走り回っていた。
そして吹雪の日、雪の上で亡くなっているのを発見。
悲嘆に暮れる母は、古ぼけた校舎の前で1人佇んでいた。
母は、古いしきたりにのっとった父の葬式をあげたいと言い張って
周りの人々を困らせている。
町の病院から遺体を担いで村まで運び、
棺にかける布も自分で織ると言って譲らない。
しかし、若い者はみな町に行き、村には老人と子供しかいないし、
担ぎ手を雇うには金が要る。
いくら村長らが車で運ぼうと勧めても、頑固な母は聞こうとしない。
ユーシェンは、母が布を織る音を聞き、
部屋に飾られた父母の新婚当時の写真を手に取りながら、
昔聞いた2人のなれそめを思い出していた。
それは、村の語りぐさになった恋の物語である。

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ある日、村への1本道を馬車がやって来た。
乗っているのは町からこの村の教師として赴任してきた
20歳の逞しい青年・チャンユー。
そして、その地に住む18歳の美しい娘・チャオディはたちまち彼に恋に落ちた。

村をあげて校舎の建設が始まった。
梁に巻く布を織るのは、チャオディの仕事になった。
そして、その日以来、彼女は遠くの井戸に通うようになった。
なんたって、チャンユーが居る学校がそばにあったからだ。
建設に携わる村人たちの食事は女たちが用意することに。

しきたりで建築現場に近寄れない女たちは、
テーブルに弁当を置いて遠くから眺めるだけ。
チャオディは、心を込めて作った弁当を
彼に食べてもらおうと置き場所を工夫する。
彼女は言葉に代わって料理が恋心を伝えてくれると信じていたからだ。

やがて校舎が完成し、教室から先生の声が聞こえてきた。
チャオディは文盲だったが、
チャンユーの授業の声を耳にすると幸せな気分になった。
それは彼女の生活の一部になり、それから40年間も続いた。
チャンユーが家の遠い子を送り届けると聞けば、
通り道で待ち伏せして彼の姿を追った。
来る日も来る日も、子供たちと歩く彼を遠くからこっそり眺めていた。

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ある日、道で目を合わせた2人は初めて会釈した。
はにかみ、嬉しさに舞い上がって籠を置き忘れるチャオディ。
その籠を拾って渡そうと、生徒たちに彼女の名を聞くチャンユー。
これがきっかけで彼女の努力は実を結び、2人の問には恋心が通じ合う様に。

ある日、チャオディは相変わらず校舎の外で先生の声を聞き、
チャンユーも彼女に会うために井戸へ水を汲みに来た。
そこで意を決して彼女は彼を食事に誘った。
翌日、家の前で出迎える彼女の姿は、彼には一幅の画の様に映った。
ディはいつも建設現場へ運んだ "青花の椀" に、
思いのたけを込めて料理を盛りつけた。
次は美味しいキノコの餃子を食べに来る様に勧めてみるも、
夫の死を嘆き悲しんだ余り盲目になった彼女の母は、
身分の違う彼との恋を諦めるように娘を諭すのだった。

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チャンユーがチャオディの家に餃子を食べに約束した日、
学校にある男が訪れた。
彼は何か "過ち" を犯して、町に呼び戻されたのらしい。
彼女に別れを告げに来て、
冬休みの前までには帰って来ると約束するチャンユー。
そして彼は、彼女の赤い服に似合う髪飾りをプレゼントする。
彼が男と供に村を去ったと聞いた彼女は、一口でも餃子を食べてほしいと、
青花の椀を抱えて走り出した。
草原を横切り、林をぬって、必死に馬車を追いかける彼女。
しかし、丘の中腹で転倒し、割れた椀から餃子がこぼれ落ちる。
しかも、髪飾りもなくなってしまった。
彼女は何日も何日も、朝から晩まで、髪飾りを探して走り回った。
ある日、家の庭に落ちているのを見つけたが、
彼女の顔は暗く沈んだままだった。
盲目の母曰く、「この器を使った人が娘の心を持っていってしまったから」と、
割れた青花の椀を職人に修理してもらう。

やがて冬がやって来た。
ふと授業の声が聞こえた様な気がして、学校まで走るチャオディ。
しかし、そこに彼の姿はなかった。
剥き出しのままの梁に巻いた赤い布を見つめる彼女。
チャンユーは布を見て彼女を思い出すために天井を張らせなかったのだ。
彼女は教室の障子を張り替え、綺麗な花の切り絵を貼った。
そうして彼が帰って来るのをひたすら待った。
その様子を見て、村長は彼女の気持ちに気づき、
瞬く間に2人の恋愛は村人の知るところとなった。

チャンユーが帰って来ると噂で聞いた12月8日。
チャオディは雪の降りしきる道に立って馬本を待った。
しかし、彼は現れない。
熱に浮かされながら、母が止めるのも聞かずに町へ向かウ彼女。
道で倒れているのを発見され、家に運ばれてきた娘が不欄で、
母は1日だけでもいいから会いに来てくれと、
町に行く者にチャンユーへの伝言を頼むのだった。

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舞台は、冬がとても寒そうな中国北部に位置する小さな村。
亡くなった父とその葬儀に対しての母の意向が明らかになるまでの
モノクロな雰囲気が、
ラース・フォン・トリアー監督作品「アンチクライスト」を思い出しました。
でもこちらはぜんぜん違う純愛物語です。

都会からやってきた若い教師と、
彼に恋して何とかその想いを伝えようとする18歳の娘。
手作りの料理に込めた彼女の恋心は、やがて彼の元へと届くのですが、
時はちょうど中国が社会的に混乱していた時期で、
彼もその影響を受けて去ってしまう。
それから町へと続く1本道で、
来る日も来る日も愛する人を待ち続ける娘の姿が何とも健気で、
観ているこちらも、はやく逢わせてあげてくれ〜! と、
心から応援サポーターと化しておりました。

そんな可憐な娘・チャオディに扮したのが、チャン・ツィイー。
え、彼女? と私的には「グリーン・デスティニー」や「ラッシュアワー2」など、
格闘系な印象が強かったので、最近まで別人かと思ってたのですが、
本人で、しかも主演はこれが映画デビューというから少しビックリしました。
好きな彼を追いかけて走る度に揺れる三つ編みや、
寒いであろうと想像出来る厚地のモコモコした上着とモンペのようなズボンが、
たまらなくキュート過ぎ! あのはにかんだ笑顔が忘れられません。
一目惚れから始まった恋、彼の姿を見たいがために、道で待ち伏せしたり、
どうにか手作りのお弁当を食べてもらいたい一心で、
毎回、趣向をこらして美味しそうな料理を作ってみたり、
彼に「赤が似合うね」と言われただけで、
やたら赤い服を着てみたりと、あーん、もう!
妙な媚びとか一切感じることなく、
素直な少女の初恋の想いがひしひしと伝わってきて、
思わず私まで頬がポッとなってしまいました。
ああ、こんなにも無垢な気持ちを、今でも持ち続けていられたら
どんなに素敵なことか!!
汚れまくった自分としては穴に入りたい気分。

雄大な中国の大地の移ろいゆく美しい四季の風景の中で、
壮大な愛の物語が描かれたこの映画。
観ると心の中の邪悪な煩悩が綺麗になった様な気がするのは
気のせいでしょうか?
とにかく、胸が詰まる様な少女の純情さには、
不思議に懐かしい思いに心が満たされていく。
そんな素敵な物語です。


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