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ポテチの好きな映画についてと感想

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Se7en 1995

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デヴィッド・フィンチャー監督作品「セブン」について

鬱陶しい雨の降り続く、ある大都会にて。
退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事・サマセットと、
血気盛んな新人刑事・ミルズは、ある死体発見現場に急行した。
死体は信じられないほど肥満の男であり、
彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。
死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。
状況から、何者かによって手足を拘束され、
銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明。
これは殺人事件と断定される。
サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、
現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる
「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064460
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064498

次の被害者は剛腕弁護士としてこの街では有名なグールドという男。
彼は高級オフィスビルの自室で血まみれになって殺されていた。
死体はちょうど贅肉の部分を1ポンド分切り落とされており、
状況から犯人は2日かけて、被害者にどこの肉を切るか選ばさせていたと推定。
現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字が残されており、
サマセットは、犯人が「7つの大罪」をモチーフにして殺人を続けていると判断。
その後の捜査で、壁に指紋で書かれた "HELP ME" の文字が発見され、
その指紋から通称・ヴィクターという前科のある男が浮かび上がる。

警察がヴィクターの部屋に踏み込むと、彼は舌と左手首を切られた上、
1年間ベッドに縛りつけられて廃人となっており、
壁には「SLOTH(怠惰)」の文字が書かれていた。
更に、警察が踏み込んだ日のちょうど1年前から撮られたと思われる
ヴィクターが衰弱していく模様を写した写真が残されており、
犯人は計算した上でわざと警察に彼の部屋を踏み込ませたと判明。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064543

手がかりを失ったサマセットは知人のFBI関係者と裏取引し、
図書館の貸し出し記録を入手。
すると「7つの大罪」に関する記録から
"ジョン・ドウ" という男を容疑者として割り出す。
サマセットとミルズはジョンのアパートを訪ねるも、
偶然、帰宅してきた彼と鉢合わせする。
ジョンは2人に発砲すると逃走を図り、ミルズは後を追うも、
隠れていたジョンに顔を殴られ、頭に銃口を突きつけられる。
しかし、何故かジョンは撃たずに逃走。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064594
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064630

警察がジョンの部屋の捜査を始めると、
これまでの被害者の写真が発見され、
彼が一連の事件の犯人と断定される。
更に、ヴィクターの自宅を捜査していた時に撮られたミルズの写真も発見され、
ジョンは大胆にも報道カメラマンを装って警察の前に現れていたのが判明。
そこへ、ジョンからの電話がかかり、
彼は警察への賞賛と計画変更を挑戦的に告げる。

ほどなくある娼婦が、4番目「LUST(肉欲)」として殺害される。
続けざまに美人モデルが5番目「PRIDE(高慢)」の死体として発見され、
彼女は自慢の顔面を切り裂かれたことで、警察・病院へ通報することなく、
自らの命を絶っていた。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064657

「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」が残る中、
サマセットらが勤める警察署に血塗れのシャツを着たジョンが自首してくる。
ジョンは取り調べを受けるも、彼の経歴や目的は一切不明で、
「自分は偉大なことを成し遂げた」と答える。
彼が自首した際の血の正体、残る殺人が判然としない中で、
ジョンは、ミルズとサマセットの2人を指名し、
彼らに残る死体を教えるという。

ジョンは2人を伴って、ある荒野に連れて行かせる。
3人が待っていると、宅配便がやってきて1つの小さな箱を置いていく。
サマセットが調べると箱の中にはミルズの妻・トレイシーの生首が。
ジョンはミルズに箱の中身を教え、
自分は彼を羨んでトレイシーを殺したと明かした。
逆上したミルズはサマセットの制止で一旦抑えたものの、
彼女のお腹の中には赤ちゃんがいたことを呟き、再び逆上、
ジョンを射殺する。
6番目の「ENVY(嫉妬)」はジョン自身で、
7番目の「WRATH(憤怒)」はミルズのことだった。

ジョンの目論みは成功し、彼の正体も動機も不明のまま事件は終結。
鬱陶しい雨の中、ミルズは逮捕・連行され、
サマセットは絶望感に包まれることに......

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1335064698
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華麗なオープニングで始まり、
重々しい雰囲気ある映像の中で繰り広げられた、
より重々しい物語。
結局、この "名無のジョン" はこれでもって
何をしたかったのかが判らないまま、
理不尽この上ない衝撃的な展開に、ただ呆然とするものの、
どこかしらで憂さが晴れてる部分もあったりして、
この物語を通して己のダークな部分を開示した様な気分が何ともいえない、
とても後味の悪さが抜群なサイコ・サスペンス映画です。

定年間際の刑事・サマセット扮したモーガン・フリーマンと
若い刑事・ミルズ扮するブラッド・ピットの
コンビネーションがとても良かっただけに、
この最悪な事件に当たったのは
本当に運が悪かったとしか良い様がありません。
そしてアンチクライストな犯人に扮した
ケヴィン・スペイシーのダークさはもう、
ヤバいから止めて〜と言いたくなる程、狂気に満ちていて、
不思議な魅力がありました。
こんな感覚、誰しもが陥りそうなだけに、
とても恐ろしいです。


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Fight Club 1999

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1280287288

デヴィッド・フィンチャー監督作品「ファイト・クラブ」について

主人公の彼は保険会社に勤めるヤング・エグゼクティブ。
ここ数カ月は不眠症に悩み、さまざまな病気を抱える人々が集まる
「支援の会」に通い始め、そこで泣くことに快感を覚えるように。
そこで「支援の会」中毒の変な女・マーラに出会い、
電話番号を交換する。
出張先の飛行機で彼はマッチョでセクシーなタイラーと知り合う。
フライトから帰ってくるとなぜかアパートの部屋は爆破されており、
彼は仕方なくタイラーの家に泊めてもらうが、
タイラーは自分を力いっぱい殴れという。
タイラーはエステサロンのゴミ箱から人間の脂肪を盗み出し、
石鹸を作って売っていた。

数日後、彼とタイラーは再び酒場の駐車場で殴り合う。
次第に見物人は増え、
ついにタイラーは酒場の地下室を借りて互いに殴り合う
「ファイトクラブ」の設立を宣言する。

一方でタイラーはマーラを呼び出し、情熱的なハードセックスを繰り返す。
「ファイトクラブ」は会員が増え、全国に支部ができるまでになった。
ついにクラブは、いたずらとテロを組織的に繰り返すようになる。
タイラーはその延長線でクレジット会社のビルを爆破する計画を立てる。
彼はタイラーを阻止しようと走り回るが、なんと意外な事実が発覚。
なんとタイラーは彼のもうひとつの人格だったのだ。
かくしてタイラーは彼を凌駕しようとするがそれは阻止され、
彼は駆けつけたマーラと共に
美しく崩れ落ちるビル群を眺めるのだった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1280287340

消費欲や虚栄心を刺激する情報が飛び交うこのご時世。
「高度消費社会」という名の集合体化された悪霊の念波動によって、
我々は次々と去勢されて、生きる力を失い続けている。
それに対抗するべく形成された「ファイト・クラブ」。
信条、お互いを殴らせ合うこと。
方向性は他者には向かない「自己破壊」であり、
「暴力」では決して、ない。
与えられた痛みによって自己を相対化できる。
そんなことでマッチョさを取りもどそうと足掻く若い男たち。
その戦いがどんどんエスカレートして、
自己滅却から文明社会を崩壊させる
テロへの志向へと転がり落ちてゆくのと同時に
主人公の分裂していた2つの人格が
1つになるまでの過程を描いている物語。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1280287385

ストレートすぎてどうかとはじめは思ってましたが、
確かに、ここまで極端にならずにしろ、必要なのかな〜と、
あと、ラストのあれほど自己への直面化を拒否していた主人公が、
自分を見つめなおして、
自らの自我をコントロールしようとし始める瞬間、
その時の精悍な顔つきは実に惚れ惚れする。
死に際でというのがとても切ないが、
光輝くほどの充実さが伝わってくる。



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