2010/07/28 Category : デヴィッド・フィンチャー Fight Club 1999 デヴィッド・フィンチャー監督作品「ファイト・クラブ」について 主人公の彼は保険会社に勤めるヤング・エグゼクティブ。 ここ数カ月は不眠症に悩み、さまざまな病気を抱える人々が集まる 「支援の会」に通い始め、そこで泣くことに快感を覚えるように。 そこで「支援の会」中毒の変な女・マーラに出会い、 電話番号を交換する。 出張先の飛行機で彼はマッチョでセクシーなタイラーと知り合う。 フライトから帰ってくるとなぜかアパートの部屋は爆破されており、 彼は仕方なくタイラーの家に泊めてもらうが、 タイラーは自分を力いっぱい殴れという。 タイラーはエステサロンのゴミ箱から人間の脂肪を盗み出し、 石鹸を作って売っていた。 数日後、彼とタイラーは再び酒場の駐車場で殴り合う。 次第に見物人は増え、 ついにタイラーは酒場の地下室を借りて互いに殴り合う 「ファイトクラブ」の設立を宣言する。 一方でタイラーはマーラを呼び出し、情熱的なハードセックスを繰り返す。 「ファイトクラブ」は会員が増え、全国に支部ができるまでになった。 ついにクラブは、いたずらとテロを組織的に繰り返すようになる。 タイラーはその延長線でクレジット会社のビルを爆破する計画を立てる。 彼はタイラーを阻止しようと走り回るが、なんと意外な事実が発覚。 なんとタイラーは彼のもうひとつの人格だったのだ。 かくしてタイラーは彼を凌駕しようとするがそれは阻止され、 彼は駆けつけたマーラと共に 美しく崩れ落ちるビル群を眺めるのだった。 消費欲や虚栄心を刺激する情報が飛び交うこのご時世。 「高度消費社会」という名の集合体化された悪霊の念波動によって、 我々は次々と去勢されて、生きる力を失い続けている。 それに対抗するべく形成された「ファイト・クラブ」。 信条、お互いを殴らせ合うこと。 方向性は他者には向かない「自己破壊」であり、 「暴力」では決して、ない。 与えられた痛みによって自己を相対化できる。 そんなことでマッチョさを取りもどそうと足掻く若い男たち。 その戦いがどんどんエスカレートして、 自己滅却から文明社会を崩壊させる テロへの志向へと転がり落ちてゆくのと同時に 主人公の分裂していた2つの人格が 1つになるまでの過程を描いている物語。 ストレートすぎてどうかとはじめは思ってましたが、 確かに、ここまで極端にならずにしろ、必要なのかな〜と、 あと、ラストのあれほど自己への直面化を拒否していた主人公が、 自分を見つめなおして、 自らの自我をコントロールしようとし始める瞬間、 その時の精悍な顔つきは実に惚れ惚れする。 死に際でというのがとても切ないが、 光輝くほどの充実さが伝わってくる。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword