2010/07/28 Category : ガイ・リッチー Lock, Stock & Two Smoking Barrels 1999 ガイ・リッチー監督作品 「ロック,ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」について 悪友仲間(エディ、ベーコン、トム、ソープ)の4人組は、 10万ポンド用意して、 裏賭博のドン・ハチェット・ハリーに対して賭けを挑む。 しかし、ハリーのインチキによって50万ポンドの借金を負うことに。 途方にくれるつかの間、エディは、 隣人が大麻の売人を襲撃する計画を練っていることを知り、 それを利用とする。 エディのプランは成功して、 まんまと大金+大麻+交通監視員(?)を入手。 しかし、その売却を頼んだ仲介人が仲介した相手が大麻栽培・販売の元締め。 元締めはお怒りのため、エディたちに復讐をしようとする。 そして、エディの隣人も自分たちを襲った相手が4人組だったと知り、 エディたちに復讐しようとする。 さて、大麻の件だけでなく、 パラレルに展開していたハリーの趣味である古銃集め。 ハリーは自分の右腕に依頼し,右腕はこそ泥を雇う。 こそ泥はうまく銃を入手するが、間違えて売ってしまう。 売った相手はエディたちの仲介人。 そして、その仲介人はその銃をエディたちに売る。 エディたちはその銃をつかって隣人を襲撃したのであった。 さらに、ハリーの借金回収の仕事をやっていたクリスは、 隣人から借金回収をしようと動いている。 そんなこんな物語が進むにつれ、複雑に関係していく登場人物たち。 大金は誰の手に? 4人組の運命は? ハリーの銃は? 麻薬栽培とか泥棒とか、ギャングとか、 もの凄い悪い男ばかり出てくるのですが、 キャラクターそれぞれに味があって、 あの仕草とか、あんなことやらかした時の反応とか、 そういえば、知り合いにそんな人がいたな〜と 思い出したりして楽しめたりとします。 それにしても裏道稼業で生活するのは、とても厳しいものだなと思います。 普通にコツコツと生活していくより、 手っ取り早く大金せしめるべく....に伴う、泥棒やギャンブルや麻薬、 そして殺人など身近に起こりえるリスク。 毎日が気が気ではないだろうに、でも達成感は凄いのかな。 波瀾万丈、私もどちらかといえば、 そうであった方が、後で楽しいかなと思いますが、 ほどほどでも正直、困っちゃいますね。 ちなみにこのタイトル「Lock, Stock & Two Smoking Barrels」。 "Lock, Stock & Barrel" は、「一切合財」と言う意味で、 元々は旧式歩兵銃全体を表した言葉 "Musket"だったそうです。 "Two Smoking Barrels” ということでてっきり、 「2丁の銃から銃弾が放たれた直後、まだ煙がまだ出ているよ」 という意味なのかと思いきや、 コックニーギャングスターの "A Sawn-off Shotgun" を指し、 この銃は "Double Barrels"(引き金2つ、銃身2つで一度に2弾発射可能) になっているので、 "Two Smoking Barrels" なのだということで、 「銃が2丁」と言う意味ではないとのことです。 〜ある質問に対して "Puchi555" さんの回答より、 以前凄い納得したのを思い出しました。 PR
2010/07/18 Category : ガイ・リッチー RocknRolla 2008 ガイ・リッチー監督作品「ロックンローラ」について イギリス・ロンドンにて。 2人の厳ついチンピラ男、ワンツーとマンブルズは 仲間のハンサム・ボブの助けを借りて、 不動産取引で一儲けしようと目論むものの、 計画をよく練らなかったために失敗。 ロンドン裏社会のボスのレニーに多額の借金をすることに。 実はこの一連の出来事を操っていたのはレニーだった。 ある日、ロシア人の大富豪・ユーリが新しい複合商業施設の建設予定地として、 街の一等地であるウォーターフロントに目をつけ、スムーズな取引のために、 この辺一帯を牛耳るレニーに仲介を依頼する。 その頃、ワンツーとマンブルズの元に、セクシーな女会計士のステラから 「新たな不動産ビジネス」の話が舞い込むのだが、 その内容はそのロシア人からレニーに渡る700万ユーロの賄賂を 強奪することだった.... 裏社会に息づく者たちに対して、愛情を持って描いているのは一目瞭然。 だからかな。やっぱりこの監督の人間群像劇は面白い。 隙あらば....の瀬戸際なその世界をクールに渡り歩くには、 いかに自分に自信を持つかと深い交友関係を築くことと、 「信頼」がカギとなることを教えてくれる。 だから裏切りに対してはこの物語の顛末のとおり、 厳しい制裁が下されてと実に分かりやすい。 この監督いはく、 「この映画は今日イギリスにおける様々な時代の移り変わりによる発展がテーマ」 とのことですが、その一つでしょうか。 明日ムショ行き確定の同性の仲間から愛の告白をされて、悩んだあげくに 最後の一夜を共に過ごそうとするストレートな主人公。 いつもながらの展開ではゲイに対して変態扱いされていたのに、 この物語では友情を超えた思いやりの深さ故の寛大さが垣間見え、 感銘を受けました。 また別に日本同様、沢山のビルが建設され、地価高騰を含めた社会的発展。 お金持ちはよりお金持ちに、その他の者はより貧乏にといった 格差社会の悪循環な成り立ちの構図を分かりやすくみせてくれて、 より不安を煽ります。 そんな現在に欠かせないキーワードが 「ロックンローラ」 どんな時でも己のスタイルを貫く裏に脈々と息づく反逆の魂、 その自己認識こそ、その言葉でもって吠え続けていくことが大事。 「ロックンローラ」 今日において必要なのだと思い知らされた、そんな感じです。 この映画の象徴ともいえる死んだ(?)ロック・スターを 70年代に登場したロンドンのパンク、"The Clash" を率いる ジョー・ストラマーに似せたのはそんな時代への反抗心からによるものかなと ちょっと深読みが過ぎたかな。 ちなみに上の画像はこの映画の海外版ポスターを引用しております。 「ロックンローラ」