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ポテチの好きな映画についてと感想

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Law Of Desire/La Ley Del Deseo 1987

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279524300

ペドロ・アルモドバル監督作品「欲望の法則」について

新進気鋭の脚本家兼映画監督・パブロ。
彼にはティナという姉(実は兄)がいる。幼い頃2人の両親は離婚。
ティナは性転換して実父と愛人生活を送っていたが、
結局捨てられて以来、男嫌いで通る彼女は友人の娘・アダを実の子の様に
可愛がり連れ回るのを日課としている。
パブロには若くてハンサムな恋人・ファンがいるが、2人の仲は最近倦怠気味。
休暇で帰郷している彼からの他愛無い手紙もパブロにはイマイチ物足りない。
商売柄か勝手に熱烈な文面の手紙をでっち上げ、
わざわざファンに送り返させる事で気を紛らわすパブロ。
冷めかけた恋に情熱を呼び戻すのは、その道の熟練者と言えども、
容易な仕事ではないのだ。

空虚な彼の心の中へ、
突然、危険な香りを漂わせた青年・アントニオが飛び込んでくる。
ファンにはない強烈な個性と野性味にあてられ、
パブロは衝動的に彼と関係を持ってしまう。
パブロにとっては単なる出来心だったが、初めての男・パブロに対する
アントニオの異常なまでの独占欲は、一方的にエスカレートしていく。
軽い悔悟の念を抱き始めたパブロ。
彼のつれない態度に苛立ちを感じるアントニオ。
パブロが書いたファンからの偽手紙が発火点となり、
激しい嫉妬の情に駆られたアントニオは、ファンの許へバイクを走らせる。
パブロはファンへの変らぬ愛にようやく気づき、駆けつけた時は既に遅く、
彼は変わり果てた姿となっていた。

警察は、ある手紙を手に入れ "ラウラ・P" という差出人をマークする。
だがそれは、
パブロがティナをモデルに書いている脚本から取った架空の名前で、
捜査は混乱するばかり。
しかも当のパブロは、ファンを失ったショックから、
帰り道交通事故を引き起こし、
頭を強く打ち、一時的に記憶を失ってしまう。
一方、恋に狂い暴走するアントニオの魔の手は、
彼に一目惚れしてしまったティナに向けられていく。
まさか彼が殺人犯とは知らないティナは、
今度こそ幸せをつかめると、有頂天。
記憶を取り戻したパブロはティナのアパートに立てこもる
アントニオの許に赴く。
追い詰められたアントニオは、パブロと最後の愛を交わした後、
自らの命を絶つのであった。


暴走の果てに最期、
パブロとアントニオが抱き合った後に、パブロに毛布をかけて
「杖を取ってくるよ」といったアントニオ。
(実はその後自殺するのだけど)
青白いライトに照らされ、崩した黒い巻き髪、そして白いブリーフ。
それが彼を天使の様で「自らの愛のために命を絶つこと」を決意した
アントニオの恐ろしいほどの神々しさはいったい何だろう。
嫉妬や殺人はキリスト教的には大罪になるはずだが、
そんな罪深き男がこんなにも美しく
神々しい天使の様な姿に見えてしまっていいのだろうか?
この矛盾こそ、この監督が表現したかったことではないのだろうか。
アントニオが自殺した後、
彼はティナやアダが祈っていた祭壇の前で息絶える。
その身体をパブロは膝に乗せ、抱き寄せながら、
自ら招いたこの結果に悶絶する。
その姿がまたキリスト教の聖画のようで実に美しいから不思議な気分に。
官能的とか、同性愛とか、そんな枠組みは取っ払って、
純真にこれは愛の物語。
善くも悪くも、純度が高いとここまで美しく感じるものである、
ただしその2人にとっては....って感じですが。


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