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ポテチの好きな映画についてと感想

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My Life Without Me 2003

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イザベル・コヘット監督作品「死ぬまでにしたい10のこと」について

主人公のアンは大学の清掃作業の夜間仕事をし、
アンの母が住む裏庭のトレーラーハウスにて、
失業中の夫と2人の娘の暮らしを支える23歳の女性。

アンの身近な人といえば、可愛くてやんちゃでいつも目が離せない娘たち、
夫のドンはとてもハンサムで妻をとても愛しているという、
この時代において稀にみる理想的な優男なのだが、
どうも仕事運には恵まれじまい。
ホテルの厨房で働くアンの母は、夫(アンの父)が刑務所に投獄された後、
彼や世の中を恨むことばかりで、
人生を楽しむことを諦めてしまっているし、
仕事仲間のローリーは過食症とダイエット中毒を行ったり来たりの
基本マイナス思考。
と、みんな良い人たちなんだけど、
どこか日常に囚われ過ぎて堕ちている人たちばかりで、
案の定、彼女も日々、仕事や家事に追われて
いつの間にか過ごしているという感じ。

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http://file.satyricon.ni-moe.com/my-life-without-me4.jpg

そんなある日、
学校に行く娘たちを送っていくドンを送り出した彼女に異変が起こる。
突然の腹痛に倒れ、病院に運ばれたのだ。
診察を担当したトンプソン医師がアンに告げた検査結果は、
「余命2、3ヶ月」という残酷なもの。
23歳という若さのせいで癌の進行が早く、
卵巣から各内蔵に転移していたのだ。
もう手遅れだと言われ、呆然とするアン。
しかし病院から戻ったアンは、
家族に「だたの貧血だった」と嘘をついて誤魔化すことに。
そして誰にも自分の病気のことを話さないと決めたアンは、
深夜のカフェでひとり、
「死ぬまでにしたいこと」のリストを作るのだった。

「死ぬまでにしたい10のこと」
・娘たちに毎日「愛してる」と言う。
・娘たちの気に入る新しいママを見つける。
・娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
・家族でビーチに行く。
・好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
・思っていることを話す。
・夫以外の人とつきあってみる。
・誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
・刑務所にいるパパに会いに行く。
・爪とヘアスタイルを変える。

その日から始まったアンの死ぬための準備。
それは、同じことの繰り返しだった毎日を充実したものへと変えていった。
死と真剣に向き合うことで、生への愛おしさを知り、
アンは初めて生きる喜びを全身で感じることが出来る様になったのだ。
しかし、アンの最後の時は刻一刻と近づいていく.....

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この映画は、
生きている様で生きていなかった日常に突然舞い込んだ死の宣告。
それがきっかけになって生きることを見出していく過程の物語なんですけど、
文句も言わずに献身的に家族や周囲の人に尽くしてきた彼女だったから
他人の私なんかが観ても静かに感動できる美談として成立したわけですが、
私はこんな欲があまりない聖人の様なアンの様にはいかないはず。

淡々と過ぎていく日常に追われたアンは、
突然舞い込んだ「死」の告知をきっかけに、
まず自分が死ぬまでに自分のためにしなければいけないことを
10の項目にまとめます。
良き母親である彼女は、幼い娘たちのために、
バースデーメッセージを何年分も吹き込んだり、
もっと家族を大事にするように心がけてみたり、
反面、夫以外の人とつきあうことを決め、
実際に偶然知り合った男性と恋に落ちて、
挙げ句の果てにはその愛に苦しんだりという感じで、
次々とそのリストの内容を実行していきます。
するとその過程において、
今まで隅に置いていた自分の本音や周囲の人たちの存在が
思っていた以上に愛しいものであったことなどを
敏感に感じ取っていくことで、
「娘たちの気に入る新しいママを見つける」なんて
普通の女性の心理では有り得ない様なことまでこなしてしまうほど、
孤独に堕ちつつも精神的に意識を高めつつの
「生」へと見出し方がとても神々しくて、
物語の最期に彼女が亡くなったのが分かっても、
とても清々しく天晴な感じがとても美しいというか、
それを見守られた私はなんだか得したなと、
不謹慎かもしれないですけど、そう、思いました。

でもこれは人柄が良い善良な彼女だから成立した物語。
私が彼女の立場だったら、もう欲望ドロドロ一直線で、
他人への気配りは疎か、
目も当てられない様な展開に発展していくのが目に見えてます。
最期はお涙ちょうだいの如く、
死に逝く私をどうか忘れないで〜みたいな感じで、
きっと、そんな映画を観た人たちは話が終わった瞬間、
スクリーンに物を投げ付けたい衝動に駆られることでしょう。

リアルに己の欲にまみれた我が人生を見直すきっかけという意味でこの映画は、
良いお手本であります。

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それにしても、この映画の色鮮やかな感じがとても素敵。
この映画のテーマが「死」なだけに、
重々しくなりそうな雰囲気にもかかわらず、
そうでないところがこの監督のセンスなのでしょうね。

主人公のアンに扮するサラ・ポリ—。
同監督の次の作品「あなたになら言える秘密のこと」もそうですが、
心の美しさが体現された品格ある演技や存在そのものが素晴らし過ぎます!
最近知ったのですが、カナダの素敵なドラマ「赤毛のアン」に続く、
「アボンリーの道」での主人公・セーラは彼女だったのですね。

あと、アンの夫・ドン扮するスコット・スピードマンと
恋人のリー扮するマーク・ラファロ。
両樹ともそれぞれ違った格好好さがあって、
しかも優しさを醸し出す佇まいがもう最高です。
そしてアンの母親に扮するデボラ・ハリー。
なんか見覚えのある人だなと思ったら、
ロックバンドのブロンディの人だったんですね。
あの生き様ロックって感じの佇まいはタダ者じゃないなと思っていたら、
ああ、やっぱりでした。
あと刑務所暮らしのアンの父親に扮するアルフレッド・モリーナ。
アンとの面会の場面でしか出てきませんでしたが、
個人的にかなり好きな俳優でしたので、
あの素敵なガチムチの身体を曝け出して、
もっと登場してほしかったな〜(って、そればっかり)

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