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ポテチの好きな映画についてと感想

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Minority Report 2002

https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279202725

スティーブン・スピルバーグ監督作品「マイノリティ・リポート」について

未来世界の警察の設定が実に面白い。
「プリコグ」と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システム。
要は犯罪が起こる前に予知して未然に防ぐという画期的なシステムなのだが、
それに従っての予防的治安維持機能を遂行する警察機構による特殊部隊により、
プリコグの導入以後、犯罪発生率が5%になったという西暦2054年。
実はプリコグ、時に3人の予知が食い違うことがある。
システムの完全性を疑われないために、
少数意見(マイノリティ・リポート)となる予知は存在を秘匿され、
なおかつ破棄されるのだが、その中にもしも真実が潜んでいたら.....

ある日、その犯罪予防局の犯罪取締チームの主任・ジョン・アンダートンは、
いつものように映し出された予知夢を調べていると、
あろうことか自分が殺人を犯す場面が映し出されているではありませんか!!
今まで未来の犯罪を犯す犯人たちを捕まえて来たくせに、
自分の身に降りかかかってみるとやっぱり理不尽なのだ。
やばい!未来に犯す殺人の罪で自分が逮捕される!
脱兎のごとく一目散に逃げ出すジョン・アンダートン。
そしてひたすら追われる立場となるのですが、
「プリコグ」の女性との接触やら、
なんだかとってもカッコ良い新主任・ウィットワーは
実は悪い奴ではなかったとか、
もっと「人間性」とか、マイノリティの存在価値についてとか、
そういった命題を抉るような展開になるかと思いきや、
やっぱりっていう人が黒幕で、
ちょっとこのシステムの盲点利用してある人殺しちゃった、
上手くいったと思ったのに、あ、ジョンにバレそう。
仕方がない、彼はハメて殺人犯にしておいて永久に閉じ込めとこうっと、
さすがに彼は殺せないからな〜とかそんな感じな、
割と陳腐な人間性溢れるオチで、
最終的にはジョンの別居中の妻の有能な働きにより、
一件落着、そして犯罪予防システムはやっぱり廃止。
「プリコグ」さんたちはもう、
こき使われることなく落ち着いた平原で新たな生活を、
そして、ジョンは妻とよりを戻してと、
素直にハッピーエンドという感じで、うーん。

自分としては、原作が「ブレードランナー」のフィリップ・K・ディックなだけに
もっと人間として未来とは? みたいな感じで
考えさせられる問題作と勝手に期待していたので、
物語には少し物足りなさを感じてしまいましたが、
映像美が素晴らし過ぎるので、私はとても好きです。

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Volver 2006

https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279165162

スペインの風の強い、迷信深い町が舞台です。
主人公・ライムンダは夫とパウラという14歳の少女の3人暮らし。
近くに姉のソーレが住んでいて、自宅でこっそり隠れ美容室を営んでいます。
とっても仲のよい母娘、姉妹です。
姉妹の父母は山小屋で何年も前に焼死しています。
ライムンダは母親・イレネと生前、疎遠でした。
それは、忌まわしい出来事があったため、
ライムンダが母と距離を置いてしまったためでした。
おぞましいことですが、ライムンダは父親に無理矢理犯され、
その結果、娘・パウラが産まれました。
パウラから見れば、ライムンダは母親であると同時に「姉」でもあるのです。
そして、実父は祖父....もちろん、パウラはそのことを知らされていません。

14歳に成長したそのパウラが、母親の留守に、義父に犯されそうになり、
とっさに包丁で刺し殺してしまいます。
帰宅したライムンダはあまりのことに仰天してしまいます。
父と娘....おぞましい歴史が再び繰り返されようとしたのです。
ライムンダは女友達の協力を得て夫の死体を埋め、
「あなたは殺していない。忘れるのよ」とパウラに言いふくめ、
強く生きようとします。

そんな折も折、以前から幽霊がでると噂があった母親イレネが、
姿を現したのでした。
伯母の家に何年も隠れ住んでいたのですが、伯母が亡くなり、
姉娘のソーレの家に現れ、ライムンダにも存在を知られてしまいます。
イレネは、ライムンダを犯した夫を山小屋で焼き殺したことを告白し、
ライムンダはようやく母・イレネを許すことができました。
母イレネは娘たちのもとに「帰郷」し、ライムンダもまた、
母のもとに「帰郷」することができたのです。

https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e5b21aa450b596bc2d2c1b78a13c4a4f/1279165457

彼の作品らしく、スペインの美しい色彩の中に、
独特な人間模様が繰り広げられます。
女とはどうしようもなく弱いもの。
それをカバーするべく、したたかで生命力が強くて、勘が鋭い。
それらゆえんでか強いといわれてますが、
実は男以上に頑張ってるからだと思います。

逆に男は弱くなったといいますが、それは嘘。
ずるさを覚えてしまって、妙な小回しが出来るようになってしまった。
馬鹿を装うのはお手のもの、弱く見せかけてるだけです。
しかし男ばかり登場する物語には、
主人公に匹敵するヒロインがいないとはじまらない。
女ばかり登場の物語には、この映画もそう、
男なんて無くても素晴らしい人生讃歌になり、
男には分からない感動を呼びます。
男だけで廻ってきたこの世の中、確かにずるくて味気がない。
以前はそれでも母性が働いて付いてきていた女たち。
今はこんなくだらない世界、引きずりつつも捨てて違う方向へ。

真ん中の "Volver" を歌う場面にもう....
そしてペネロペ・クルスが美しすぎて、気がつくとこの映画の虜に。
そんな曲の歌詞の内容。

「忘れたはずの過去が甦り、私の人生と対峙する
 旅人はいくら逃げても、いつか立ち止まる時がくる
 たとえ忘却すべきことを打ち砕き、幻想を葬り去ったとしても、
 つつましい希望を抱く
 それが、私に残された心の宝….帰郷(ボルベール)」

Magnolia 1999

 

ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画「マグノリア」について

L.A.郊外のサンフェルナンド・ヴァレー、曇り空のある日にて。
人気長寿クイズ番組『チビっ子と勝負』を介して、
お互いに知らないままつながりを持つ男女の人生模様が映し出される。
制作者で死の床にあるアール・パートリッジの若い後妻リンダは
悲嘆のあまり混乱の極み。
アールは献身的な看護人・フィルに、
彼がかつて捨てた息子を探してほしいと頼む。
彼の息子は今ではフランク・ T・J・マッキーと名乗り、
女性の口説き方をモテない男に伝授する
カリスマ的な指南役として評判をとっていた。

 



一方、番組の名司会者ジミー・ゲイターもガンを宣告されて死期を悟り、
彼を憎んで家出した娘・クローディアの元を訪ねるがすげなく追い返される。
薬物に頼って生きる日々の彼女の前には、生真面目な独身警官ジム現れた。
番組が始まるが、目下天才少年として評判をとるスタンリーは
本番前にトイレに行けず、ついに漏らしてしまって、
同時に司会していたゲイターも倒れた。同じ頃、
その昔番組でスタンリーの様に天才少年とうたわれたドニーはなじみのバーへ。
そこのマッチョなバーテンの男をひそかに恋する彼は、
年甲斐もなく、歯列矯正ブレスをはめる予定だったが、
勤め先の電気店でクビを言い渡されていた。
こうして彼らの運命は変転を迎えようとしていた。
クローディアはジムとレストランでデートするが、
キスを交わした後で逃げ去る。
スタンリーは「僕は人形じゃない」と日頃の鬱積を生放送中にぶちまけた。
フィルに呼び出されたフランクは、
かつて母と共に自分を捨てた父親の枕元で激情のあまり嗚咽する。
動揺しきったリンダは車の中でアールの薬を服んで自殺を図る。
ついにバーテンに求愛したドニーは、歯の治療の金を盗むべく電気店へ押し入る。
それを目撃したのが車で通りかかったジム。
ところがここで思いもよらぬ天変地異が。
かくして、その事件のあまりの不可思議さが、
思い悩む彼らの心にあまねく影響を及ぼし、
ひとりひとりに「救済」をもたらすのであった。




後悔や罪の意識は人それぞれ、
度合いや方向性様々にして積み重ねつつ持ち合わしているものです。
それらに対して救済するべくの処置方法もそれぞれ、
良い変化の転機なり、リセットなり、様々です。
この物語はいろいろな人のそれを、最後の最後、
「はい8-2の件、一手に救済。これでどう?」みたいな、
プロとはこうでないといかんっ!という
神の仕事ぶりをひしひし感じつつ爽快感。
栄養ドリンクを飲んで自ら暗示をかけて一気仕事を意気込む、
いつも徹夜の私にとって、理想です。

登場人物の黒人の男の子がラップを歌いますが、その内容。

虐げられたミミズが敵を殺した
でも、過去の罪は積み重なるばかり
太陽を照らしてもどうにもならない時は、神様は雨を降らせるのさ

これは物語の予告だったんだなと、後になって気づきました。
あと「一時曇り、雨の降る確率82%」の数字の意味。

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