2010/07/15 Category : スティーヴン・スピルバーグ Minority Report 2002 スティーブン・スピルバーグ監督作品「マイノリティ・リポート」について 未来世界の警察の設定が実に面白い。 「プリコグ」と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システム。 要は犯罪が起こる前に予知して未然に防ぐという画期的なシステムなのだが、 それに従っての予防的治安維持機能を遂行する警察機構による特殊部隊により、 プリコグの導入以後、犯罪発生率が5%になったという西暦2054年。 実はプリコグ、時に3人の予知が食い違うことがある。 システムの完全性を疑われないために、 少数意見(マイノリティ・リポート)となる予知は存在を秘匿され、 なおかつ破棄されるのだが、その中にもしも真実が潜んでいたら..... ある日、その犯罪予防局の犯罪取締チームの主任・ジョン・アンダートンは、 いつものように映し出された予知夢を調べていると、 あろうことか自分が殺人を犯す場面が映し出されているではありませんか!! 今まで未来の犯罪を犯す犯人たちを捕まえて来たくせに、 自分の身に降りかかかってみるとやっぱり理不尽なのだ。 やばい!未来に犯す殺人の罪で自分が逮捕される! 脱兎のごとく一目散に逃げ出すジョン・アンダートン。 そしてひたすら追われる立場となるのですが、 「プリコグ」の女性との接触やら、 なんだかとってもカッコ良い新主任・ウィットワーは 実は悪い奴ではなかったとか、 もっと「人間性」とか、マイノリティの存在価値についてとか、 そういった命題を抉るような展開になるかと思いきや、 やっぱりっていう人が黒幕で、 ちょっとこのシステムの盲点利用してある人殺しちゃった、 上手くいったと思ったのに、あ、ジョンにバレそう。 仕方がない、彼はハメて殺人犯にしておいて永久に閉じ込めとこうっと、 さすがに彼は殺せないからな〜とかそんな感じな、 割と陳腐な人間性溢れるオチで、 最終的にはジョンの別居中の妻の有能な働きにより、 一件落着、そして犯罪予防システムはやっぱり廃止。 「プリコグ」さんたちはもう、 こき使われることなく落ち着いた平原で新たな生活を、 そして、ジョンは妻とよりを戻してと、 素直にハッピーエンドという感じで、うーん。 自分としては、原作が「ブレードランナー」のフィリップ・K・ディックなだけに もっと人間として未来とは? みたいな感じで 考えさせられる問題作と勝手に期待していたので、 物語には少し物足りなさを感じてしまいましたが、 映像美が素晴らし過ぎるので、私はとても好きです。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword