2010/07/28 Category : スティーヴン・スピルバーグ Artificial Intelligence: AI 2001 スティーヴン・スピルバーグ監督作品「A.I.」について 人間の日常生活が管理され、 人間に代わってロボットが雑用や労働をこなしている未来。 「愛」という感情をインプットされた 最初の少年型次世代ロボット「デイヴィッド」は、 彼を開発した会社の従業員に引き取られる。 母親を永遠に愛し続けるようプログラムされていた「デイヴィッド」だったが、 まもなく不治の病に冒されていた夫妻の実の息子が 冷凍保存から生き返ったため、 いろいろないざこざの後にあっけなく捨てられてしまう。 永遠に愛することを義務づけられた(ありえない!) 少年の悲劇と狂気の始まり。 そうか、人間になれば、きっとお母さんに愛してもらえる。 ピノキオを人間に変えたブルー・フェアリーを求めて、 テディ・ベアのスーパートイとセックス・ロボットを道連れに 希望の旅にでるものの、 自分の生みの親の博士宅に辿り着き、 自分の身代わりが騒然と並ぶのをみて愕然、 独占欲を侵害する敵とみなして破壊、嘆いて絶望、 そして飛び降り自殺。 海に沈んで友人の計らいにより救出、 偶然オブジェのブルー・フェアリーと対面、 そのまま闇の中へ.... この監督作品の中で「プライベート・ライアン」に次いで気になる映画です。 それにしても、この「デイヴィッド」が戦争孤児とリンクしてしまうのは、 同じ大人の事情の犠牲だからでしょうか。 「どうしようもない」と「仕方がない」と「何とかならないのか」とが 頭に浮かんでは決着着かずに廻り続けます。 PR
2010/07/19 Category : ア行 Nine Lives 2005 ロドリゴ・ガルシア監督作品「美しい人」について 面会に来る娘と言葉を交わすことだけが唯一の生きがいである囚人の女。 偶然に昔の恋人に再会、 喪うべきではない絶対的な愛だったと確信するも闇の中、 改めて自分のお腹に新たな愛を見出す妊婦。 父親との幼いころのトラウマに決着付けるべく、 しばらくぶりに捨てた実家に戻る女。 夫婦の秘密、 「過去、子供を堕胎したことに対するお互いの見解の相違について」を、 軽々と友人夫婦に披瀝してしまう夫に唖然とする妻。 障害者である父と、その介護に疲れ果て会話を放棄、 その罪悪感と人生への焦燥感を抱く母。 その二人に挟まれ、行き来する若い娘。 妻に自殺された元夫のために、家族とともに葬儀に参列するのだが、 自殺の原因は実は自分。 それでも元夫との関係は続き、女性としての歓びと、 人間としての功罪を背負う女。 娘の先生とモーテルに足を踏み入れて一時、 恍惚のひとときを過ごしそうになる母親。 女性の身体の象徴である乳房を失う、 あるいは致命的ともなりうる重大な手術を目前に控え、 鎮静剤が効くまでの間、激情に駆られては夫を理由なくなじりまくる女。 墓参りにやってきて、 死んだ幼い娘とのささやかなやりとりをする女。 9人の女性の群像劇。 日常の中のふとしたきっかけで直面してしまった心の痛みや悲しみについてを、 自らの手であぶりだしては、より落とし込んで、やがて受け入れて、 最後には人生の美しい思い出となしていく。 男はその場の夢に逃げがちな感じだけど、女性は割と現実的だから? でも最終的、 長い目でみると男よりロマンティストだったりするんだろうな〜
2010/07/19 Category : ア行 After Sex 2007 エリック・アマディオ監督作品「アフターセックス」について セックスも甘ったるいのから変態的なものまでそれぞれ十人十色。 裸で向き合うこの行為は、妙な心情のカモフラージュを取ってくれるから その時の相手の仕草や言動、気の使い方からこだわりや態度とか、 特に素の部分が一番見えやすい、それが終わった後。 この映画はそれを8パターン用意いたしましたって感じの群像劇です。 私が1番好きなのは、1番はじめのセックス・フレンド同士の話。 お互いセックスだけの関係が、少しずつ愛し始めつつも、 なかなか素直になれずにそれが終わってから、 駆け引きめいた会話を淡々として引き延ばす。 そして最後の甘いオチ。 こういうのって、いいなぁと素直に温かくなります。 3組のゲイカップルの話もあって、 その1つにはどうしても納得いかないのもありましたけど、 アメフトのコーチとパンク歌手のカップルのエピソードには目からウロコ状態。 友情を超えた繋がりが甘い関係になっていることに気がついた 2人の確認の様な会話がもの凄く微笑ましく、 そういうのって理想なだけに羨ましいな〜とか、 中年カップルのエピソードでお互いの過去の遍歴を楽しく話せるのは、 絆がしっかりしているから出来るからこそみたいな感じで、 いろいろ身に覚え、共感するところが多々あったりして、改めて、 その時間は、2人の関係を構築するのにとても重要であると、 再確認されたのでした。