2010/07/21 Category : タ行 Trainspotting 1996 ダニー・ボイル監督作品「トレインスポッティング」について 主人公の青年・マーク・レントンは平凡な生き方よりも、 「誠実で真実あふれる麻薬の習慣」を選んだ麻薬常習者の青年。 ある日、彼は何度目かの麻薬断ちを決めた。 仲間のシック・ボーイも麻薬を止めるが、 それはレントンに嫌がらせをするため。 麻薬よりも健全な性欲を満たすべく、レントンたちはディスコに行く。 そこで彼はダイアンという美女に魅かれて、彼女の家でセックスする。 翌朝、彼はダイアンが実は高校生だと知ることに。 レントンたちは再び麻薬を始めた。 それまで麻薬はやらなかったトミーも、 恋人に振られた腹いせに麻薬を打ってくれという。 皆が麻薬に耽っている間に、仲間のアリソンの赤ん坊が死んでいた。 実はその赤ん坊の父親だったシック・ボーイは泣く。 皆は慰めにさらに麻薬を打つ。 レントンとスパッドが万引きで捕まり、スパッドは刑務所に。 執行猶予になったレントンは本気で麻薬をやめようとして、 禁断症状で地獄の苦しみを味わう。 トミーは注射針からエイズに感染していた。 麻薬を止めたレントンはロンドンに出て不動産屋に就職。 だがそこに故郷の仲間たちが押しかける。 まずは強盗で逃走中のベグビー、 それにポン引きになったシック・ボーイ。 やがて彼は2人のせいでクビになり、3人そろって故郷に帰ると、 トミーの葬式が行われていた。 葬式の後、シック・ボーイが多量の麻薬取引の話を持ち出す。 レントンは嫌々ながら仲間に説得されて貯金を提供する。 ベグビー、シック・ボーイ、スパッドの3人は 2キロのヘロインを抱えてロンドンへ行き、 ある組織に1万6千ポンドで売る。 その晩、レントンは儲けの入った鞄を持ち逃げする。 翌朝、ベグビーが激怒して暴れ出し、警察に逮捕される。 レントンはスパッドにだけは4000ドルの分け前が渡るように手配していた。 彼はこれから、普通の生活をしてゆくつもりだ、たぶん。 こんな感じで、イギリスの都市に住むヘロイン中毒の青年が主人公です。 妙な生々しい雰囲気と粋な音楽が合致して、 今時の悪ガキ達の生態をリアルに描いています。 彼を取り巻く悪友達とかを巻き込み巻き込まれつつ、 「普通の生活?」を目指す物語。 ラストシーンのレントンが駆け出していく時にかかっている楽曲。 Underworldの「Born Slippy Nuxx」がとても爽やかで 明るい未来の希望が持てる感じがして凄くハッピーな気分に。 暗くなりがち当たり前な展開の連続に、うまく音楽で 演出されてる映画だと思います。 それにしても、 最近のニュースで若者がマリファナを育てて御用でお縄ちょうだいが多々ある中、 私には全く興味が湧かないそれら薬の魔力。 リスクが社会的にも身体的にも金銭的にもないならまだしも、 あるのに嵌まらせてしまうその魔力。 怖いですね....... でも私としてはケーキやセックスで十分補えそうだし第一、 パチンコでお金を稼ぐというのと同じかそれ以下、 関わるとろくでもないのが目にみえてるのにです。 ちなみにこの映画の青年はきっと、 あんな颯爽と希望を胸に歩き出していったけど またヘロインに手を出してしまうんだろうな〜 薬中での自分自身を多いに見いだしてしまってるから、その姿こそ、 彼にとっての「普通の生活」だから。 宿命ですね....... PR
2010/07/21 Category : デビッド・リンチ Lost Highway 1996 デビッド・リンチ監督作品「ロスト・ハイウェイ」について この物語はとても難解、1回観ただけではたぶん良く理解できないと思います。 デビッド・リンチ監督の作品だから〜といってはそれまでですが、 実はとても悲しい物語なのです。 妻を殺して死刑囚となった男が見た妄想の断片とその妻の執念の回想を 組み合わせてより意味深に、よりミステリアスに、 あとお約束みたいな妙男も踏まえて、 暗い道路の疾走場面、逆回しの家の爆発場面、そして空に光る雷光を節目に、 現実と妄想を行き来します。 妄想の中、男は修理工場の若い別の男としても生きてるのですが、 もの凄い不安感の中それを冷静に監視している刑事さんが嘆くほど、 SEX!SEX!SEX!やってばかりで なんだか、男の性(さが)を感じで切なくなりそして、心温まるのでした。 だから妻の邪念も優しい方に向いていったのでしょうね。 私はこの難解さが「マルホランド・ドライブ」に続いて好きです。 詳しい解釈は「つづきはこちら」をクリックすると読めます。 長文です〜 つづきはこちら
2010/07/28 Category : ガイ・リッチー Lock, Stock & Two Smoking Barrels 1999 ガイ・リッチー監督作品 「ロック,ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」について 悪友仲間(エディ、ベーコン、トム、ソープ)の4人組は、 10万ポンド用意して、 裏賭博のドン・ハチェット・ハリーに対して賭けを挑む。 しかし、ハリーのインチキによって50万ポンドの借金を負うことに。 途方にくれるつかの間、エディは、 隣人が大麻の売人を襲撃する計画を練っていることを知り、 それを利用とする。 エディのプランは成功して、 まんまと大金+大麻+交通監視員(?)を入手。 しかし、その売却を頼んだ仲介人が仲介した相手が大麻栽培・販売の元締め。 元締めはお怒りのため、エディたちに復讐をしようとする。 そして、エディの隣人も自分たちを襲った相手が4人組だったと知り、 エディたちに復讐しようとする。 さて、大麻の件だけでなく、 パラレルに展開していたハリーの趣味である古銃集め。 ハリーは自分の右腕に依頼し,右腕はこそ泥を雇う。 こそ泥はうまく銃を入手するが、間違えて売ってしまう。 売った相手はエディたちの仲介人。 そして、その仲介人はその銃をエディたちに売る。 エディたちはその銃をつかって隣人を襲撃したのであった。 さらに、ハリーの借金回収の仕事をやっていたクリスは、 隣人から借金回収をしようと動いている。 そんなこんな物語が進むにつれ、複雑に関係していく登場人物たち。 大金は誰の手に? 4人組の運命は? ハリーの銃は? 麻薬栽培とか泥棒とか、ギャングとか、 もの凄い悪い男ばかり出てくるのですが、 キャラクターそれぞれに味があって、 あの仕草とか、あんなことやらかした時の反応とか、 そういえば、知り合いにそんな人がいたな〜と 思い出したりして楽しめたりとします。 それにしても裏道稼業で生活するのは、とても厳しいものだなと思います。 普通にコツコツと生活していくより、 手っ取り早く大金せしめるべく....に伴う、泥棒やギャンブルや麻薬、 そして殺人など身近に起こりえるリスク。 毎日が気が気ではないだろうに、でも達成感は凄いのかな。 波瀾万丈、私もどちらかといえば、 そうであった方が、後で楽しいかなと思いますが、 ほどほどでも正直、困っちゃいますね。 ちなみにこのタイトル「Lock, Stock & Two Smoking Barrels」。 "Lock, Stock & Barrel" は、「一切合財」と言う意味で、 元々は旧式歩兵銃全体を表した言葉 "Musket"だったそうです。 "Two Smoking Barrels” ということでてっきり、 「2丁の銃から銃弾が放たれた直後、まだ煙がまだ出ているよ」 という意味なのかと思いきや、 コックニーギャングスターの "A Sawn-off Shotgun" を指し、 この銃は "Double Barrels"(引き金2つ、銃身2つで一度に2弾発射可能) になっているので、 "Two Smoking Barrels" なのだということで、 「銃が2丁」と言う意味ではないとのことです。 〜ある質問に対して "Puchi555" さんの回答より、 以前凄い納得したのを思い出しました。