2012/04/17 Category : ア行 X-Men: The Last Stand 2006 ブレット・ラトナー監督作品「X-MEN: ファイナル・ディシジョン」について 突然変異により超能力が芽生えたミュータントたちが 人間たちに迫害されている世界にて、 とある大企業の御曹司が思春期を迎え、背中に翼が生え始めたのをきっかけに、 息子を「普通の人間」に戻そうと、その社長である父親が莫大な費用を懸けて、 ミュータント治療薬 "キュア" を開発。 それはミュータントを一掃したい人類にとっては大喜びな出来事で、同時に "人類はより優秀な生物であるミュータントに支配されるべきである" との思想を持った、マグニートーを筆頭にしたミュータントたちにとっては 大変脅威である! ということで、 直ぐさま、"キュア" 生産のカギとなる少年の拉致し、 開発された研究施設を破壊するべく、彼らが動き出した。 それを阻止するべく立ち上がった "人類と ミュータントの平和的共存" をモットーとする プロフェッサーX率いる"X-MEN" チーム。 一方、亡くなったはずのジーン・グレイが甦り、 彼女の封印された恐るべきパワーが放たれたことで、 もう1つのダークサイドな人格 "フェニックス" も世に出てしまって、 事態はより最悪な方向へ。 "X-MEN" でお馴染みのメンバーはこの争いを収めることができるのだろうか! ブライアン・シンガー監督での前作品「X-MEN」シリーズは、 割とマイノリティな目線を重視した作りで、 ゲイである私としては、時々ドキッとさせられる場面があったりして 大変感傷深い印象がありましたが、 この作品はそれよりもアクション!という乗りなので、素直に楽しめました。 この映画の見所は何といっても、各キャラクターたちの超能力合戦でしょう。 特にお気に入りな戦い場面は、 壁をすり抜ける能力を持つ可憐な女の子・キティちゃん、 彼女を壁をド派手に破壊しながら追いかける 超ガチムチで怪力野郎・ジャガーノートのお粗末な感じがもう.... 思わず上手いっ! と声が出てしまいました。 天候を操ったり、稲妻をブチ当てたりするストームさん然り、 炎を自在に操るパイロと何でも凍らせるアイスマンの戦いも面白かったですが、 何といっても最後の戦い場面。 あの無敵なフェニックスに太刀打ちしたのが、 流石はX-MENの一番手・ウルヴァリン。 キャラクターの中で一番地味な感じだっただけに、 まさか、そう来るとは思わなかったです。 .....切な過ぎます。 個人的にはX-MENメンバーのガチムチ・ハンクなコロッサスの活躍が、 もっと欲しかったな〜 ウルヴァリンをブン投げるだけだったから.... PR
2012/04/12 Category : ア行 X-Men Origins: Wolverine 2009 ギャヴィン・フッド監督作品「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」について 1845年のカナダで、若きジェームズ・ハウレットは、 グランドキーパーをしていたトーマス・ローガンによって 父親が殺害されるのを目撃する。 そのショックによってジェームズのミュータント能力が覚醒し、 骨の鉤爪が手から生え、そしてローガンを刺し殺した。 しかし、ローガンは死の間際に自分こそがジェームズの父親であると告げる。 ジェームズはその後、以後1世紀以上に渡って 兄のビクター・クリードと共に生き延び、 南北戦争や2度の世界大戦に参加して戦い方を学んだ。 ベトナム戦争の時に、凶暴化がエスカレートしたビクターは 村人の幼い娘に暴行を行おうとし、止めに入った上官を殺してしまう。 ジェームズは兄を庇ったため、2人は銃殺処刑されるが、 再生能力のために失敗。 そこへ軍人のストライカーが現れ、2人を「チームX」へスカウト。 ちなみにそのメンバーは、 エージェント・ゼロ(命中率ほぼ100%の射撃能力者でアジア系)、 ウェイド・ウィルソン (デッドプール:二刀流による脅威の戦闘能力者でとてもお喋り)、 ジョン・ライス(ケストレル:短距離テレポート能力者でとってもクール)、 フレッド・デュークス(ブロブ:頑丈な肉体を持つちょっとおバカな怪力男)、 そして、クリス・ブラッドリー(ボルト:電気を自在に操る能力者) といったミュータント軍団。 2人はチームに加わるが、ジェームズはグループの非人道的な行いに疑問を持ち、 やがて脱退。 6年後、ジェームズは "ローガン" と名乗るようになり、 恋人・ケイラと美しいカナダの山奥で静かに暮らしていた。 そこで初めて人間として生きることの喜びを知ったローガン。 彼の秘密を知った上で、その全てを受け入れ愛するケイラ。 そんな平穏に暮らしていた彼の前にストライカー大佐が現れ、 何者かが「チームX」のメンバーを殺していると警告。 その後まもなく、ビクター(セイバートゥース)によってケイラは殺害され、 彼の圧倒的パワーに太刀打ちできず、ローガンも重傷を負う。 復讐に燃えるローガンに対しストライカーは、 ビクターを倒す方法を教えるとして、 彼に不壊の金属「アダマンチウム」によって骨格を強化する 「ウェポンX」計画を受けさせる。 ローガンは手術の前に苛酷な人生への幕開けとして、 "ウルヴァリン" と記された新しい認識票を求めた。 湖の地下の秘密基地にて、改造手術を麻酔無しで受けるローガン。 その最中にストライカーの巨大な陰謀発言をローガンは聞いてしまう。 ストライカーは彼の復讐に協力するつもりは更々なく、 全ては実験的な改造手術を受けさせるために仕組んだシナリオだった。 ウルヴァリンとなったローガンは、洗脳処理寸前のところで 秘密基地から全裸で脱出。 エージェント・ゼロに追われ、助けてくれた老夫婦を死なせ、 「チームX」の仲間に会って、 ビクターとストライカーがグルだったことを知り、 彼らがある島にいることを突き止め、 レミー・ルポー(ガンピット)に会ってといろいろあった後に、 スリーマイル島に辿り着く。 その島の施設に潜入したウルヴァリンは死んだはずのケイラと再会。 一方、ストライカーはウェイド・ウィルソンに改造手術を行い、 元チームXの仲間を始めとする多くのミュータントの能力を兼ね備える 超人兵器「ウェポンXI」を誕生させ、ウルヴァリンの抹殺を命令する。 その後は囚われたミュータントたちを逃がしたり、 ビクターと協力して「ウェポンXI」に挑んだりと いろいろとドラマが展開していくのですが、 何といってもこのガチムチのヘアリー兄弟を筆頭に、 おバカなガチデブのブロブ、粋なイケメン男のガンピット、 そしてセクシーハンクな「ウェポンXI」と、 これはお好みの男のジャンルを全て揃えたゲイムービーですか? と、 問いただしてみたくなる内容に思わず釘付け、それからちょっと胸焼け.... そんな男たちが繰り広げる肉弾超能力合戦の各場面はとにかくクール! 痺れまくりで、正直、物語の展開なんてどうでも良くなってしまいました! 次回作は何故か日本が舞台だそうですが、「キル・ビル」よろしく、 ぶっ飛んだ日本情緒ある風景をバックに、 ウルヴァリン扮したヒュー・ジャックマン筆頭に、 セクシーな男っぷりを見せ付けながら戦いまくって欲しいものです。
2012/04/11 Category : ア行 Mine vaganti/Loose Cannons 2011 フェルザン・オズペテク監督作品「あしたのパスタはアルデンテ」について トンマーゾはローマに住む作家志望の青年。 実家は南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社にて、 長男(トンマーゾの兄)・アントニオの新社長就任が決まり、 共同経営者一族の晩餐会が開かれることになった。 帰郷したトンマーゾは、 その席上で家族に言えなかった3つの秘密を告白しようと、 その前にアントニオに予告する。 1つ目は経営学部と偽って文学部を卒業したこと。 2つ目は家業を継がずに小説家になること。 そして3つ目の最大の秘密はゲイであること。 ディナーの席でトンマーゾが告白しようとした矢先、 アントニオが自分はゲイであると先にカミングアウトしてしまう。 トンマーゾは不意打ち食らって唖然とし、家族一同は驚愕、 父は憤怒のあまり、アントニオに勘当を言い渡してそのまま卒倒。 家族は大騒ぎに。 トンマーゾは告白どころか、ローマに戻ることもできず、 倒れた父の代わりに同じく新たに共同経営者となった美しい娘・アルバと パスタ工場を任される羽目に。 身内にゲイがいるなんて!とひたすら世間体を過剰に気にする父と母。 3人兄弟、2番目の長女(トンマーゾの姉)は自分は自分と 別にあまり気にした風もない。 その夫はより陽気に振る舞って、戸惑いを隠している様子。 父の妹でセックス依存症気味である叔母はそんなことよりも 自分が男を漁るのに夢中。 そして、事前にアントニオを理解し、 彼らを温かくも複雑な想いで見守る祖母。 そんな個性溢れる家族の楽しくも切ない物語なのですが、 随所に挿入される花嫁衣裳の女性とタキシードの男性の美しい場面。 この女性は若かりし頃の祖母なのですが、 その成り立ちが徐々に明らかになるにつれて、 ゲイの主張云々がこの作品のテーマではなく、 人間は誰しも自分の望む通りの人生を送ることこそが、 それが例え困難な道であったとしても、 1番幸福なのだということを教えてくれます。 トンマーゾと同じく父の代わりで新たに共同経営者となったアルバ。 子供の頃から変わり者で情緒不安定だと言われて、 そんな自分に嫌気がさしながらも、父の敷いたレールを進みつつ、 その枠内において本当の自分を解放しながら生きてきた彼女。 ゲイであることや本当にやりたいことを言えずに偽りの自分をみせながら、 家族のために、父のためにと彼女同様のレールを踏み、奮闘するトンマーゾ。 生き方は対照的だけど、ある意味似た者同士の2人が秘密を明かしあって、 親密になるところはとても救われるのですが、現状は変わらずして、 頑張れば頑張るほど報われない憂鬱な日々。 そんな時、毎日の電話では我慢できなくなった ローマに住むトンマーゾの恋人・マルコが、 ある週末、イカニモなゲイ友3人を引き連れて、 彼の実家にやってきます。 海で遊ぶ恋人や友人たちとアルバ、それを黙って見つめるだけのトンマーゾ。 周りが自分をどう思うかではなく、 自分がどう生きたいかを実践している彼らの楽しそうなことといったら! それに比べて自分は.....と、そこで彼らと数日過ごすことで、 トンマーゾはある決心をします。 友人たちがローマに帰った後、ゲイであることは置いといて、 本当にやりたいことは作家になることで、 このパスタ会社での仕事は出来ないと、 家族に打ち明けます。 全てを把握した上で見守ってきた祖母にとって、 とても嬉しく感じたと共に、 あの孫が自分の思い通りの人生を歩もうと決意したのだからと、 ずっと頑なに本心を隠してきた人生に終止符を打つべく機会!として ある行動に出ます。 それがとても最たるものなのですが、 思い通りの人生を歩んでいたら この家族は生まれなかったという罪悪感故になのでしょう。 唯一その事実を知ったトンマーゾにとっては かなりの衝撃を受けたことでしょうが、 自由に生きることは時として自由に死ぬことと同義ということで、 最期にはそれで満たされたのだから良いのかなと、 意を決して強くなった彼にとっては、 そうプラスに考えることができたのではと。 それを垣間見えるのが、祖母のとても楽しげな葬式の模様で窺えます。 最後はアルバもトンマーゾやマルコという親友ができたからか、 何か吹っ切れてましたし、 両親と兄がこの葬式を機に歩み寄っていましたし、 とても悲しいはずなのですが、 スカッと爽涼感に満ちた素晴らしいハッピーエンドでした。 さて、この重たくて切ない映画には、 ところどころに笑える面白いエピソードがスパイスの様に散りばめられていて、 私のお気に入りは、 夜に窓を開け放って泥棒の男を招き入れてはヤッちゃう伯母さんとか、 イカニモなゲイ友たちのオネエ言葉を必死に抑える様とか、 トンマーゾが姉に恐る恐るカミングアウトすると、 「知ってたわ。兄弟揃ってだけど別に良いんじゃない? 私もそうかと思ったけど、レズビアンじゃなかったみたい。 きっと男好きの血統なのかもね」とアッサリしてるとか、 イタリア人だからみんな陽気というわけではないのでしょうけど、 そんな抜けてる感がとても素敵でした。 タイトル「あしたのパスタはアルデンテ」の邦題が今イチな気がしますが、 原題の直訳「水面下の爆発」っていうのも何となく分かりますけど、 これはこれでサスペンスみたいでそれも違う様な感じが........ それにしても、キリスト教の国・イタリアで こんなマイノリティーな主人公の作品って、 犯罪者とか特殊な扱いでない平穏な感じでってのは、 あまりなかったんじゃないでしょうか。 それだけ時代が寛容になった現れなんでしょうね。 同じゲイとして心強く感じます。 そんな私にとって、 いろいろ良い意味で考えさせてくれるこの映画は かなりハマりました。 人生に思うことがある人にとってはとてもお奨めです。 ゲイ友の1人がトンマーゾの姉の旦那が可愛いとかなり狙ってましたが、 確かに少しゴツくて可愛かったな。 あとアントニオ兄貴、いろんな意味で格好好過ぎです。 と自分の中の腐女子ならぬ "腐男子" がそう申しております。