2012/07/17 Category : リュック・ベッソン I Love You Phillip Morris 2009 リュック・ベッソン製作総指揮作品「フィリップ、きみを愛してる」について 実の親に売られて養子として育ったスティーヴン・ラッセルは、 小さな町の警察官。 妻・デビーと娘・ステファニーと共に平穏な生活を送っていた。 警察官の特権を利用して実の母親に会うものの、呆気なく追い返され、 ある日、隠れて男と密会した帰り道にての大事故に遭ったのをきっかけに、 彼は自分に正直に生きることを決意する。 それは、ゲイであるということだった。 デビーにカミングアウトし、 1人でフロリダに引っ越したスティーヴンは、 世間のしがらみから解き放たれたかの様に 恋人・ジミーと放蕩三昧な豪遊の毎日。 しかし、そんな生活を続けるために IQ169の頭脳でもって保険金詐欺を繰り返す彼に とうとう警察の手が迫り、結局、彼は刑務所へ収監されてしまう。 そこで待っていたのは、 シャイでキュートなフィリップ・モリスとの運命的な出会いだった。 初めは戸惑いを隠せなかったフィリップだったが、 彼の猛烈アタックにやがて彼も恋に落ちていく。 しかし甘いひと時のつかの間、スティーヴンの移送が決定。 連行される彼の後を追いかけるフィリップに スティーヴンは「きみを愛してる」と叫ぶのだった。 3ヶ月後。 釈放されたスティーヴンは弁護士と偽り、 フィリップの刑期を短縮させ、出所させる。 ようやく2人だけの生活を手に入れたスティーヴンだったが、 彼を弁護士だと信じきっているフィリップを幸せにするには、詐欺師ではなく、 普通の仕事に就くべきだと考え始める。 彼は履歴書に細工を加え、大企業の "CFO" に抜擢される。 その仕事に見事な手腕を発揮、社長からの信頼も厚く、 社内の人気者としての立場を作り上げていった。 ところが、仕事や同僚に退屈を覚えた彼は 会社の資金を横領、不正に莫大な利益を得て、 新しい家や豪華な車を購入とフィリップとの生活につぎ込んでいく。 フィリップはその生活レベルの激変ぶりに、 彼が良からぬことに手を出しているのでは? と心配するも、 予感的中(愛の御技?)! ほどなく横領がばれ、フィリップも自分が騙されていたことに気付く。 そして、フィリップは2人の愛の巣から立ち去ることを決心。 しかしスティーヴンは諦めず、 フィリップへの愛を軸にして巧妙に脱獄しては逮捕を繰り返すことに。 それから "HIV" に侵されて瀕死状態に陥るのだが..... ゲイのラヴ・コメディーということで、 観る前はセクシャルな雰囲気が全体に漂って ノンケ世界に対してのゲイ特有な自虐的な笑いが主なのかなと思ってたら、全然。 素直に面白い作品でした。 まず始めに思ったのは、 スティーヴンの妻・デビーが良く出来た女性だなということで、 彼女がこうもゲイな元夫に対して寛容なのは、 それだけ彼が悪い人ではないということでしょうか。 そしてその彼が巻き起こす一連のドタバタは全て、 愛するフィリップを軸にしているというのが、 観ていて安心したというか、愛を軽視する風潮気味なこの頃にとって、 やっぱりその力は偉大であると。 この物語が実話に基づいているというのも驚きですが、 アクション映画の監督というイメージが強い リュック・ベッソンが製作総指揮というのがかなり驚きました。 何はともあれ、実に巧みな演出にこの2人。 フィリップ扮するユアン・マクレガーがもう絶妙過ぎで、 彼の細かな演技がとても自然で、 本当にスティーヴンを心から愛しているのだなと凄く伝わってきました。 もう「スターウォーズ」の雄々しいジェダイの騎士は何処へ? って感じです。 (その彼もセクシャル的には微妙でしたが) そしてスティーヴン扮するジム・キャリーの 強烈な立ち回りな印象はもうハンパなく、 コミカルな演技の中で時折垣間みるフィリップへの愛が伝わってきて、 なんだかんだあっても、結局、愛だよな〜と独り、納得しました。 世間の荒波をものともしない主人公の姿勢や、 真剣な愛の行き交いをまざまざと見せ付けてくれるこの作品。 憂さ晴らしには持ってこい! な、かなりおススメです。 PR