2012/07/18 Category : カ行 Kung Fu Hustle 2004 チャウ・シンチー監督作品「カンフーハッスル」について 1930年代、文化革命前の混沌とした上海にて。 金と女が行きかう派手な街は、 ライバルの殺戮でのし上がってきた「斧頭会」というギャング団が牛耳っていた。 その一員になることを夢見るチンピラのシンは、 頼りにならないおデブな相方と共に、日々コソ泥を繰り返していた。 そんなある日、「猪籠城寨(豚小屋砦)」と呼ばれる貧困地区のアパートにて、 住人から小金を脅し取ろうと斧頭会の名を騙って入り込んだ2人であったが、 舐めてかかった相手が悪かったため、逆に住人たちにボコボコにされることに。 シンが苦し紛れに投げた爆竹で、 偶然にも通りかかった「斧頭会」の幹部に怪我をさせたことで、 彼らの注意を引くことに。 大勢で侵略してきた斧頭会の男たちに弄ばれるアパートの住民たち。 住人の1人、半ケツの理髪師が斧の餌食にされそうになった時、 思わぬことが起こる。 豚小屋砦に隠れ住んでいた中国武術の達人たちが幹部の男を蹴り飛ばしたのだ。 殺到する斧頭会、防衛に立ち上がる武侠たち。 抗争は波乱を呼び、次々に武林の達人たちが戦いに参加し始め、 暴力組織は一掃される。 そこで斧頭会は古琴波動拳を操る琴奏者コンビの刺客を雇い、 再び豚小屋砦へ。 騒動の発端となった五郎八卦棍の使い手である粥麺屋の主人、 十二路譚腿の使い手の筋マッチョな人足兄貴、 そして、洪家鐵線拳の使い手である 仕立屋の主人(オカマさん)が次々と倒されるものの、 豚小屋砦の大家とその奥さんの手によって撃破される。 実は彼らと同じく隠れ住んでいた大家の正体は楊過という太極拳の使い手、 その奥さんのは正体は小龍女という獅咆哮の使い手で、 武林界において伝説の達人夫婦だったのだ。 彼らのあまりの手強さに、斧頭会の組長・サムはシンを仲間に入れる条件として、 伝説の殺し屋・火雲邪神の脱獄を促すことに。 かくして家主夫妻と火雲邪神、伝説の達人同士の対決が幕を開けた。 死闘の末、3人がお互いを組み敷き、 身動きができないところを良心を持ち直したシンが火雲邪神を攻撃。 それに激怒した火雲邪神が床にめり込む程に彼を滅多打ちに。 すると彼の中で、少年時代の苦い記憶と共に封印されていた 悪を戒める武術の奥義を呼び起こし開眼。 家主夫妻に助け出されたシンは無敵の如来神掌の使い手として覚醒し、 豚小屋砦にて火雲邪神と対決するのであった。 物語は単純明快、胡散臭い香港映画特有のナンセンスなギャグと 漫画の様な凄いアクションが交互に展開して、 あまりの面白さにグイグイのめり込まされてしまいます。 主人公・シンも最後の戦いの場面は神懸かっていてとても格好好いですが、 個人的には豚小屋砦に住む個性的な達人たちの活躍が目から鱗状態でした。 特に人足の足技が映える兄貴風にもうメロメロ。 呆気なく死んでしまってとても、本当にとても残念でした。 個性的な達人といえば、 特出していたのが頭にカーラーを巻いた五月蝿いただのオバさんと思いきや、 情けない感じの夫と共に伝説のカンフー達人だったという、 その設定が素晴らし過ぎです! 大友克洋の漫画「AKIRA」に出てくるチヨコさんを思い出しました。 (割烹着を着たただのオバちゃんかと思いきや、 反政府ゲリラの凄腕戦士だったというところ) とにかく、本当に熟練した腕を持つ役者ばかりなだけに戦闘場面が凄まじく、 かなり見応えのあるアクション映画です。 そんな中で明らかにされる主人公・シンと 聾唖者の少女の切ない少年時代のエピソードから、 それぞれが大人になってうだつの上がらない チンピラもどきのシンがいろいろと成長して、 貧しくも健気にキャンディー売りをしている聾唖者の娘を 彼が開店させた糖果店に迎え入れる最後の場面はとても心温まります。 物語の内容が濃ければ濃い程、ハッピーエンドだと気分スッキリ! 実に映えますね。 PR