2010/07/18 Category : マ行 Midnight Cowboy 1969 ジョン・シュレシンジャー監督作品「真夜中のカーボーイ」について マッチョな肉体の魅力で富と名声を手に入れようと、 テキサスからニューヨークに出てきた青年・ジョー。 カウボーイスタイルに身を固めた彼は、 来て早々ある女を引っ掛けて金を要求するが、 実はこの女、名うての娼婦で、上手ーく丸め込められ、 逆に金をふんだくられる。 ジョーはスラム街に住むラッツォという片足の悪い小男に出会い、 売春の斡旋人を世話してくれるという約束で10ドルを手渡すが、 かなり逝っちゃってた斡旋人の親父は男色を専門としていた。 騙されたと知ったジョーは、ラッツォを捕まえて問い詰めるのだが、 既にラッツォの手には金がない。 その代わり、罪滅ぼしにラッツォは、カモ探しに協力することに。 2人はラッツォのねぐらである廃墟のビルで共同生活を始める。 そこで彼らの間に奇妙な友情が芽生えていった。 しかし、冬のニューヨークで暖房もない貧苦の生活。 ラッツォの体は病魔に冒され、弱っていった。 ある時、アンディ・ウォーホルのパーティーを切っ掛けに、 ジョーのジゴロ稼業がうまくいきそうになるが、 ラッツォの病状が一気に悪化。 ジョーはゲイの紳士から金を強奪し、ラッツォを連れて、 彼の憧れの地「フロリダ」行きのバスに乗る。 マイアミを間近にしたバスの中で、ジョーは決意する。 「一攫千金を狙ったりしないで地道に二人で暮らしていこう」 汚れた衣服とカウボーイの装束一式をトラウマとともにゴミ箱にぶち込み、 2人ともフロリダの明るい服装に着替え、 さあ、新天地に到着!....のつかの間、 ラッツォは帰らぬ人となっているのでした。 都会の生活は、お金や社会的地位があればとても豊かで楽しい。 しかしそれは夢物語、何も無い者はそうそう上手くいくはずも無く、 孤独感と寂寥感と退廃と絶望の闇に囚われてしまう。 もともと人間なんて小さい。 それを認めたくないけど、それが現実。 やっと分かったから「ここではない何処か」へ行きたかった二人。 この友情によってもたらされた絆にはとてつもない逞しさがある。 残念なことにラッツォは行くことが出来なかったけれど、 ジョーはその分、彼のためにも、より幸せに近づけるのではないか。 悲しいラストシーンですが、何故か爽快感漂う希望を感じるのです。 ラッツォ役のダスティン・ホフマンとジョー役のジョン・ヴォイト、 2人の名演あっての映画だと思います。 忘れてならないのが、ニルソンが歌う主題歌「うわさの男」。 哀愁の中から溢れ出た爽快感、....ああ、ため息が出てしまう。 実に良い映画です。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword